河野外相も本音語る 日米「拉致は後回し」密約で合意済み
河野外相も本音語る 日米「拉致は後回し」密約で合意済み
日刊ゲンダイDIGITAL 2018年7月6日
元記事:https://www.nikkan-gendai.com/articles/view/news/232684
「核とミサイルを解決をした後は、しっかりと拉致問題を北と日本で解決する」――。先月30日、徳島市の講演で河野太郎外相がポロリと漏らした。「拉致最優先」を掲げる安倍政権の方針に反する発言に聞こえるが、河野は本音を語っている。拉致問題の優先度が低いことは日米“密約”で合意済み。安倍首相は、拉致問題に取り組むポーズを演出しているだけなのだ。
6月の米朝首脳会談後に初めて、ポンペオ米国務長官が6日訪朝。金正恩委員長とも会談するとみられる。その後、7~8日に初訪日し、訪朝の成果を日本政府に報告する予定だが、拉致問題の進展は絶望的だ。
「米朝首脳会談で合意した共同声明は、非核化の具体策がないと叩かれました。本来、首脳会談後すみやかにポンペオ氏が訪朝する予定でした。水面下の交渉が難航し、時間がかかりましたが、ポンペオ氏が訪朝する以上は、非核化については、何らかの具体的な道筋が示されるはずです。半面、非核化のハードな交渉を進める上で、米国は日本の拉致問題の優先度を下げざるを得なかった。6月末に訪日したマティス国防長官がポンペオ氏訪朝時には、拉致はヨコに置くことを、河野外相に伝えたようです」(外務省関係者)
冒頭の河野発言は、マティスと会談した翌日に飛び出している。河野外相は米側の「非核化の後に拉致」という提案にヤスヤスと「了」を出したのではないか。
さらに、3日付の朝日新聞は米朝関係筋の話として、5月末、訪米中の金英哲朝鮮労働党副委員長が、ポンペオに「日本人拉致問題は解決済み」「日朝間ですでに終わった問題だ」と語ったと報じた。
「5月の段階で北のナンバー2が米国務長官に『解決済み』と伝えていたことは重要です。即座に、米側を通じて日本政府にも伝わったはずです。このタイミングでリークしたのは、ポンペオ訪朝に向けて、日本国民が拉致問題の進展に期待を持たないようにしたかったのでしょう」(外交事情通)
■誰も何もしない安倍政権
北の「解決済み」との立場は、米朝会談前に米国もじかに確認し、日米で共有していたのである。それでも、トランプが首脳会談で拉致問題を取り上げると、進展したかのように大ハシャギの安倍首相は「今後もトランプ氏の強力な支援を得ながら、日本は北朝鮮と直接向き合い、解決していかなければならない」と語っている。
「安倍政権が本気で拉致問題を解決したいのなら、日朝の協議を始めるために、河野外相はすぐにでも平壌に飛ぶべきです。ポンペオ氏は今回の訪朝で3度目ですよ。さらに、安否の共同調査のための連絡事務所を平壌に置くことも北朝鮮は拒否しないでしょう。結局、解決に向けて、できることはいくらでもあるのに、安倍政権は、誰も、何も行動を起こしていないのです。拉致問題の優先度が低いとみられても仕方がありません」(元外交官・天木直人氏)
安倍首相は5日、拉致被害者の曽我ひとみさんと面談し、早期解決を目指す意向を示すという。もう、「意向」はいいから「行動」で示せよ。
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