学校の授業だけで東大合格 授業料「無償化」で注目の“高校単独”私立校

学校の授業だけで東大合格 授業料「無償化」で注目の“高校単独”私立校

AERAdot  柿崎明子2018.7.12 16:00AERA#大学入試#教育#東大


 今、東京都の高校入試では私立シフトが起こっている。大きな原因とみられるのが、都の助成金制度による私立高校授業料の実質無償化だ。この助成金制度で、注目すべきは中高一貫ではない「高校単独」の私立校だ。

 18年は2人が東大に合格するなど多くの国公立、難関私立大合格者を輩出する朋優学院高校(東京都品川区)。01年に女子校から共学化し校名を変更、14年には調理・美術などのコースの募集を停止し、本格的な進学校に舵を切った。

 しかし、当初はなかなか目標を達成できなかった。室川等教頭が振り返る。

「進路指導のノウハウがないので予備校の講師を呼んで校内予備校を作ったり、サテライト授業を導入したりしました。しかし生徒の実態を知らない外部講師の指導はミスマッチも多く、評判はよくなかったですね」

 自校の教員が生徒の指導にあたる方針にし、校内で教員が集まって授業研究を重ねたり入試問題の分析会を開いたりした。さらに外部の研修やガイダンスなどにも足を運んだ。

「5教科の授業は年間約700時間。その時間をいかに内容の濃いものにするか、教員全員が意識して壇上に上がっています」

 もうひとつの課題が、生徒の意識を変えることだった。私立単独校は公立高校と併願されることが多く、第1志望の受験を失敗して入学してくる生徒も少なくない。現実を受け止めつつ、大学入試に向けて気持ちを前向きにさせなければならない。まず、さまざまな外部模試を利用し、点数を伸ばすことで自信につなげた。サポート体制も充実。年に5回のペースで個人面談を実施し、放課後は難関大入試に向けた講座を、長期休暇には講習を開講している。塾に通っている生徒は全体の10%にとどまる。

 今年現役で東大に合格した大宮好誠さんも、塾や通信講座を使わなかったという。

「第1志望に行けなかったこともあって、入学当初は学校にあまり期待していませんでした。でも先生や友だちと親しくなり、授業も面白かった。学校の講習は受けましたが、それほど無理をしたわけではなく、文化祭や体育祭も楽しみました。朋優に来ていなければ東大へは合格しなかったかもしれない」


 首都圏に数校しかない私立単独男子校の一つが、保善高校(東京都新宿区)だ。隣は広大な戸山公園という恵まれた立地にある。大学進学は中堅上位の私立大が中心だが、国公立、難関私立の合格を目指す少人数制の特別進学クラスを2クラス設置。特進クラス独自の教科として、17年から「未来考動(こうどう)塾」を開講した。

 プログラムの作成に携わった特進部長の山田優教諭は目的を次のように話す。

「ただ勉強させるだけでなく知的好奇心を刺激し、思考力の基礎を作ることが狙いです」

 授業は、自分で問いを設定し、仮説を立てて検証、発表するという流れに沿って進められる。佐々木空也さんは、宇宙エレベーターで宇宙に到達するためにはどれだけ酸素ボンベが必要か研究し、プレゼンコンテストで優秀賞を獲得した。

「計算が大変でしたが、好きなことをやっているので楽しかった。人前で話すのは苦手でしたが、自信がついた」と語る。

 新宿の環境問題についてプレゼンした佐藤匠さんは、「自分の考察を入れて結論を出すのは、初めての経験。このスキルは社会に出てからも役に立つと思う」と話す。

 この未来考動塾を導入してから、生徒が他の教科でも積極的に発言したり、記述力がついたりと、効果が表れ始めているという。いずれ全クラスへの展開も検討している。

「異性の目を意識せず、目標に向かってまっしぐらに行動する3年間は貴重な時間。思考力を身につけて、さらに充実した高校生活をおくってほしい」(関口榮司校長)

(ライター・柿崎明子)

※AERA 2018年7月16日号

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