絶対付き合ってはいけない会社、8タイプ
絶対付き合ってはいけない会社、8タイプ
平気で人を待たせるのは、黄色信号
PRESIDENT Online(プレジデントオンライン) 2018.7.12 #営業 #経営
マーケティングコンサルタント 酒井 光雄
企業を相手に仕事をしている人なら、多かれ少なかれ、「厳しい客」に鍛えられた経験があるだろう。「厳しい客」とは、言うことは言うが出すものは出すという客のことだ。一方で、言うことだけ言って、出すものを出さない客もいる。こういった「悪い取引先」に関わると、時間もお金もムダになる。いち早く、「厳しい客」と「悪い取引先」を見分けることが大切だ――。
「条件に応じれば、仕事が取れる」という誘惑
発注する側の強みから、過度な値下げ要求を行い、相手企業の付加価値を認めない法人がある。相手にしなければいい、と言うのはカンタンだ。しかし、現実はそう甘くない。経営基盤がしっかりしている企業であっても、何らかの要因で一時的に顧客が減り、売り上げが落ちることはあり、売り上げがほしい時期に「悪い取引先」が現れると、「条件に応じれば、売り上げが増えるじゃないか」という悪魔のささやきに、心が揺らいでしまう。
「悪い取引先」を相手にするのは、ただただ大変だ。価格交渉だけの仕事となり、営業担当者は疲弊していく。一度価格の引き下げに応じれば、その後の商談でも苦しめられることになる。立場を悪用する担当者がいる「悪い取引先」にかかわると、売り上げは増えても、結局は余計な手間が掛かるため、自社の社員の士気は下がっていく。その結果として、そのほかの良質な顧客をも逃がしてしまうことになったら、目も当てられない。
「悪い取引先」が、自社の風土に問題があることに気づかずにいると、値下げ要求やリベートの要求がさらに増長する。「この仕事、下りさせていただきます」とは言えずにいると、どんどん悪循環に入ってしまう。
何かと災いをもたらす「悪い取引先」には、どんな特徴があるのか、見ていこう。
こんな担当者がいる取引先には、ご用心
(1)上から目線で、理不尽な要求をする
仕事のポストを自分の力と勘違いし、取引先に対してぞんざいで、上から目線で相対する人がいる。小売業のバイヤー部門や企業の調達部門などでよく見られる。彼らの理不尽な要求にいつも応えていると、自社のブランド価値が毀損し、「安売り企業」のレッテルを貼られてしまう。目にあまる担当者がいる企業では、何かしらのトラブルや事故が起きる確率が高いので、取引自体を見直す必要も出てくる。
取引先が悪質な要求を行うと、「下請代金支払遅延等防止法(略して下請法と呼び、大規模な親事業者から小規模な下請事業者を守り、両社の取引が公正に行われ、小規模下請事業者の利益を保護するために定められた法律)」に違反した企業として通報され、公正取引委員会から企業名や違反の内容などを社会に公表される。
(2)とにかく価格の安いところに発注する
付加価値が理解できない企業や担当者は、デザインなど創造性を重視する仕事の精度や完成度の違いが判断できず、見積もり金額の安さだけで発注先を決定する。デザイン事務所に依頼せず、印刷会社に印刷費の中でデザインをさせてしまうような企業も存在する。こういった企業は、名刺・リーフレット・レターヘッドなどに特徴が現れる。デザインがバラバラで統一性がなく、しかも仕上がりが悪い。付き合うのは避けたほうがいいだろう。付加価値に対して、対価を支払わないからだ。
(3)自分たちよりも能力の高い人たちと仕事をした経験がない
プライド意識が高く、いつでも自分たちが正しく、能力も高いと思い込んでいる企業がある。こうした企業では、プロの知恵を生かすことができず、自分で自分の首を絞めてしまう。またこうした組織には、外部から有益な情報がもたらされないため、何事も後手に回る。成長する企業や組織は、自分たちよりも能力の高い人たちと付き合い、彼らの提案を受け入れる度量がある。
(4)「世間が狭い」ことを知らない
仕事上の立場と付き合いだけで人を判断し、取引先や担当者のバックボーンや人脈を知らずに無理強いする組織や担当者がいる。だが発注する立場から、自分たちが受注する立場に立ったとき、過去のツケを払う事態に直面する。
社会人だけでなく、就職活動中の学生にも、この要素は該当する。入社試験の面接時に、トイレを利用した学生が、掃除をしている女性スタッフにどのような態度を取る人物かを、チェックする企業があった。この企業はわざと社員を掃除のスタッフに見せかけ、礼儀のない学生をふるいに掛けていた。
(5)小規模企業を軽く見ている
大企業や行政機関の中には、規模の小さな法人を軽く見る風土を持つところがある。彼らはプライドが高く、取引先を選定する際に「過去の実績」や「企業の規模」、「企業の看板」を重視し、どんな企業に発注したかを問われた際に自身の選択ミスが問われないようにしている。
どの企業も手をつけたことのない新規プロジェクトの場合だと、実績を持つ企業があるはずもない。相手の企業力や担当者の力量を見抜く力がない組織では、こんな状況は頻繁に起きる。こうした風土を持つ企業では、上司の顔色をうかがう担当者が多いので、自身では判断せず、いつも上司にお伺いを立てるので、無駄な時間を費やしてしまう。
(6)時間を守らず、相手を平気で待たせる
約束した打ち合わせの時間を守らず、1時間以上待たせておいて詫びない人がいる。遅れたのは前の打ち合わせが延びたからだと言う。役員から呼ばれるなど突発的で避けられない事態ならともかく、自分の時間管理の甘さに気づいていない。人の時間を奪う人間は、誰からも信用されない。こうした担当者と仕事をしても疲弊するだけだ。
(7)「ビジネスパートナー」という概念がない
仕事で困ったときや窮地に陥った際に助けてくれるのは、社内よりも社外の人たちだ。にもかかわらず、「お金さえ払えば言いなりになる」「発注しているのだから、無理を要求して当然だ」とする考え方で取引先と付き合う組織がある。相手をビジネスパートナーとして大事にする概念がない。長い目で見ると、成長性が見込めない企業風土だ。
(8)初対面で、嫌な予感がする
ビジネスで辛酸をなめてきた経営者なら、相手の第一印象で嫌な予感がし、それが的中したという経験があるはずだ。不思議なもので、人間は言葉にはできなくても、危険な状況や近寄ってはいけない人物を嗅ぎ分けられることがある。そう感じた取引先や担当者なら、付き合いを避けたほうがよいかもしれない。トラブルに至らなくても、相性が悪い企業や担当者との仕事は、無用な手間や時間が生じることが多い。
目先の利益に惑わされるな
人間は信頼され、大事にされると前向きに取り組み、期待された以上の成果を出そうとする。目先の利に惑わされず、付き合うべき組織や人との関係を強化していけば、よい結果がもたらされる。理不尽な要求にいつまでも付き合って苦しめられるより、新たな取引先やビジネスパートナーとの出会いをつくり出すほうが、心身ともに健全になり、企業としても輝きが増す。
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