元立教大生に聞いた 「奨学金破産」で人生転落するまで
元立教大生に聞いた 「奨学金破産」で人生転落するまで
日刊ゲンダイDIGITAL 2018年7月16日
2人に1人の大学生が奨学金に頼っているという。その裏で急増しているのが、奨学金を返済できずに自己破産する人たちで、いわば「奨学金破産」という状況だ。日本学生支援機構によると、自己破産によって奨学金の債務が免責になった、あるいは保証債務が免責となった人の数は2016年度までの5年間で、延べ1万5338人に上るという。どんなことが影響しているのか。
38歳のフリーター・大島徹さん(仮名)は、奨学金を返済できず、年内に自己破産する予定だという。大島さんに話を聞いた。
「1999年に立教大学に入学してまもなく、奨学金を申し込みました。貸与されたのは毎月10万円。実は僕は父子家庭で、そのお金は父親に渡していました。父親はその奨学金を借金返済や遊興費に使っていたのです。学費ですか? 祖母や親戚に頭を下げて、なんとか工面していました。別れた母親にも頭を下げて、何とか4年まで進学。就活もしたんですが……」
そこへ襲い掛かったのが、就職氷河期だった。大島さんの就活時の大卒求人倍率は1.09、前年度は0.99。多くの学生が思うように就職が決まらず苦しんだ。
「そこそこの大学に行けば、就職は安心だと思っていました。親世代の人たちはみんなそう言っていた。よく考えればバブルも崩壊していたわけだし、そんなに甘くないわけですが、高校生の頃には想像できなくて」
内定を出してくれた企業もあった。しかし、希望の業種ではなく、気持ちが塞いだ。迷いに迷って1年留年した。
「父親の奨学金使い込みは続き、僕は学費を工面できなくなり、精神的にも参ってしまい、大学を除籍となったのです」
かくしてフリーターになった。バイトをつないで生計を立てたが、奨学金の返済にまで手が回らない。一度就職した会社とは、給与の未払いで裁判沙汰に。奨学金の返済猶予の申請も何度かしたが、常に借金のことが気持ちに重くのしかかったという。
「ついに一昨年、日本学生支援機構から強制執行の通知が届きました。延滞金などもついて総額500万円以上。地方裁判所に出向き、返済能力がないことを説明。年内に自己破産する予定です。奨学金の返済は、僕にとっては父の借金の肩代わり。積極的に返したいという気持ちがわかなかった。その考えが悪かったんでしょうね」
奨学金破産を自己責任として切り捨てていいのだろうか。闇は深い。
===日刊ゲンダイDIGITAL 報道(ここまで)===
大島徹さん(仮名)の場合、奨学金をダメ親に渡してしまったことで悲劇が起きましたが、普通に卒業して就職したけれど、アリさんマークの引越社のようなブラック企業に就職してしまい、体を壊して失業した場合、大島徹さんと同じような経済状態なってしまいます。サラ金のような奨学金を見直さないといけないのではないかと思います。
マリヤ・マグダレナ
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