矢継ぎ早発表もポーズ 安倍政権の被災地支援は中身空っぽ
矢継ぎ早発表もポーズ 安倍政権の被災地支援は中身空っぽ
日刊ゲンダイDIGITAL 2018年7月18日
西日本豪雨への対応が完全に後手に回り、挽回に必死の安倍政権。ここへきて「支援策」を矢継ぎ早に打ち出したが、ごまかされてはいけない。安倍首相が純粋に政府の身銭を切ったのは、今年度予算の予備費から出す約20億円だけ。よーく見ると、交付税の前倒し支給や災害関連融資の5年間無利子化など、ケチな支援ばかりだ。それを「安倍の英断」のように垂れ流すメディアもどうかしている。
安倍政権は13日の閣議で、被災した10府県58市町に9月分の普通交付税の一部、346億5100万円を繰り上げ交付すると決定した。17日支給される。閣議に先立ち、非常災害対策本部会議で安倍首相は「総額約350億円の普通交付税の繰り上げ交付を本日決定致します。各被災自治体におかれては、財政的に躊躇することなく、全力で応急対応や復旧対応にあたっていただきたいと思います」と、覚悟を決めた“重大決定”のように語った。
すると、大メディアは「東日本大震災などを除くと平成以降最大の額」と仰々しく報じたのだが、ちょっと待ってほしい。総務省財政課はこう言った。
「災害初期の段階で現金が必要です。借金をしないで済むように、すでに決まっていた9月分を前倒しで配るだけです。もちろん9月の支給はその分減額されます」
何のことはない。もともと支給する予定の現金を2カ月早めて渡すだけなのである。そんなので「躊躇することなく」使えるわけがない。
13億6500万円繰り上げ交付される広島県呉市の山上文恵市議(社民)が憤る。
「何が『躊躇することなく』ですか。国が普通交付税とは別に災害向けの新たな財源を増やしてくれるのならともかく、単なる支給の前倒しです。9月に支給される交付税は、すでに使い道が決まっています。今回、災害向けに支出すると、本来の使途に穴があくわけです。不安だらけですよ。安倍首相は、中身がない支援策なのに、格好をつけているだけです」
■大メディアは政府の“印象操作”に加担
安倍首相は16日も、農家、中小事業者向け「支援策」を発表したが、こちらもショボイものばかり。農家向けに災害関連融資の5年間無利子化や、中小事業者の債務返済猶予など、利子や返済期限を少し緩めているに過ぎない。米国製の武器爆買いの“気前よさ”とはえらい違いである。
「宴会問題で初動を批判された安倍政権ですが、その後も危機感を持って災害対応しているようには見えません。支援策を次々と発表していますが、中身が伴ったものではなく、お得意のポーズです。メディアは、発表された支援策をそのまま垂れ流し、安倍政権の印象操作に協力してしまっている。総額350億円の交付金支給前倒しが大したことないのは、被災自治体の受け止めを取材すればすぐにわかることです。メディアは、支援策が本当に被災者や被災自治体にとって役立ち、元気が出るものなのか、ひとつひとつ検証して報道すべきなのです」(法政大名誉教授・五十嵐仁氏=政治学)
宴の後もポーズだけ。無批判に垂れ流すメディアの罪も重い。
=== 日刊ゲンダイDIGITAL報道(ここまで)===
文責:マリヤ・マグダレナ
9月分の普通交付税の一部を繰り上げ支給して被災地支援しているポーズをとり、「総額約350億円の普通交付税の繰り上げ交付を本日決定致します。各被災自治体におかれては、財政的に躊躇することなく、全力で応急対応や復旧対応にあたっていただきたいと思います」と嘯(うそぶ)く安倍晋三首相と、発表された支援策をそのまま垂れ流し、安倍政権の印象操作に協力する寿司友メディア。9月に支給される交付税は、すでに使い道が決まっています。「躊躇することなく」使えるわけがないのです。
安倍晋三首相と彼の寿司友メディアに騙されてはいけません。
無批判に垂れ流すメディアの罪は重い。
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