ブログ:人生のハンドルを手にするサウジ女性たち
ブログ:人生のハンドルを手にするサウジ女性たち
REUTERS 2018年6月22日 / 16:53
[ダーラン(サウジアラビア) 19日 ロイター] - サウジアラビアで初めて女性の自動車運転が許される今月24日に、アミラ・アブドルガデールさんは、母親を隣に乗せ、自分の運転で車を走らせたいと考えている。
「運転席でハンドルを握るということは、自分が移動をコントロールするということ」と黒いベールをまとった建築家のアブドルガデールさんは語る。「自分の移動のすべてを決めたい。いつ出発して、何をやり、いつ戻るのか、私が決める」
自動車教習を終えたばかりのアブドルガデールさんは、サウジ国営石油会社アラムコが、ダーランにある自社の自動車教習所で女性社員や家族向けに行う教習を利用した約200人の女性の1人だ。同社は、サウジアラビアにおける社会改革支援の一環として、教習を提供した。
「毎日の生活には自動車が必要だ。私たちは働いているし、母でもある。人付き合いもたくさんあり、外出しないといけない。移動の足は必要だ」と語るアブドルガデールさん。「私の生活は一変するだろう」
アラムコ従業員6万6000人のうち、女性は約5%を占める。つまり、今後も3000人ほどの女性が、同社の自動車教習に参加する可能性がある。
サウジのサルマン国王は昨年9月、女性の自動車運転を解禁する国王令を発布した。厳格なイスラム教の解釈を統治の根幹に据えるサウジは、世界で唯一女性の運転を禁止している国だ。
社会改革の「顔」となっているのは、32歳のムハンマド皇太子だ。
サウジの若者の多くは、皇太子の登場を、長老たちが長年実権を握ってきた同国で、ついに若い世代が力を手にし始めたことの証とみている。
アブドルガデールさんにとって24日は、こうした変化を祝う日になる。そして、その喜びを分かち合いたい相手は1人しかいないという。
「6月24日には、母をドライブに連れて行きたい。それがまず最初にやりたいこと。ほかには誰も呼ばず、私と母の2人だけで楽しみたい」
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