金融庁トップ交代 “再続投説”の森長官が失脚した3つの理由
金融庁トップ交代 “再続投説”の森長官が失脚した3つの理由
日刊ゲンダイ DIGITAL 2018年7月11日
「歴代最強」とも呼ばれ、一時は超異例となる任期4年目突入さえ取り沙汰された森信親金融庁長官の今月17日付での退任が決まった。後任には遠藤俊英監督局長が昇格する。
森氏は、東京学芸大付属高から東大へと進み、1980年に旧大蔵省入り。財務省大臣官房参事官、在ニューヨーク総領事館領事などを歴任後の2006年に金融庁に転じ、検査局長、監督局長を経て15年長官に就任。昨年7月には過去2人しか前例のない在任3年目を迎えた。
再続投説が飛び交い始めたのは今年に入ってから。森氏が主導する形で進めてきた地方銀行の再編や「フィデューシャリー・デューティー」(受託者責任=顧客本位の業務運営)をはじめとした金融改革が「なお道半ば」(当局筋)とみられていたためだ。
それに森氏は霞が関の人事権を握る首相官邸のキーパーソン、菅義偉官房長官の大のお気に入り。直接のボスに当たる麻生太郎副総理兼財務大臣の信任も厚いとされていたこともある。
ところが直後に事は暗転する。最初のつまずきは今年1月末に発覚したコインチェックによる仮想通貨の巨額流出事件だ。ずさんな管理で約580億円もの仮想通貨を盗み取られたものだが、背景には「登録制」や「みなし登録制」の下に怪しげな仮想通貨交換業者を事実上、野放し状態にしてきた金融庁の失政があった。
■“怪文書”まで出回った
そして2つ目のつまずきがスルガ銀行だ。個人向け融資に特化した独自のビジネスモデルで高収益を上げ続ける同行を、森氏はかねて絶賛。「地銀の優等生」などとはやし立て、銀行経営を再構築していく上での「お手本」とまで持ち上げていた。しかし、サブリース業者の破綻をきっかけに、こうした高収益が融資関連書類の偽造など詐欺まがい商法の上に成り立っていたことが露呈。森氏への非難が一気に高まった。
さらに、4月に入ってからは官邸筋の間で森氏の行政手腕と森体制を批判する、金融庁関係者によるものとみられる“怪文書”まで出回る始末。
「これが菅官房長官の目にも触れ、続投の目は完全についえた」(事情通)という。好事魔多し――か。
=== 日刊ゲンダイ DIGITAL 記事(ここまで)===
概ね事実だろうと思います。 マリヤ・マグダレナ
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